APSF編集委員会は、COVID-19パンデミックの前の35年間のAPSFニュースレターの記事をレビューし、この特集号で強調されるべき「トップ10」の最も影響力のある記事を「What Then?」と「What Now?」を全体的なテーマとして選んだ。 |
35周年記念号のエディトリアルは、下記の10件の記事に基づく
#1 ASAは標準的なモニタリング基準を採用
John H. Eichhorn, MD1987年春
エディトリアル:ASA 1986年モニタリング基準はケアの新時代を開始し、患者安全を向上させた
John H. Eichhorn, MD
#2 文献から:ECRIレビューの解説、手術室火災の警告
Chester H. Lake, Jr., MD1991年冬
エディトリアル:外科的火災の予防:レビュー
Charles Cowles MD; Chester Lake MD; Jan Ehrenwerth, MD
#3 低血圧法は視覚障害に関連している可能性がある
Ann S. Lofsky, MD; Mark Gorney, MD.1998年夏
エディトリアル:術後視覚障害(POVL)
Lorri A. Lee, MD
#4 特集:プロダクション・プレッシャー – より多く、より速く、より安くという圧力が、患者を危険にさらしているのではないか?APSFパネルによって調査された患者の安全に対する潜在的なリスク
Robert C. Morell, MD; Richard C. Prielipp, MD2001年春
エディトリアル:プロダクション・プレッシャーと麻酔専門職
Richard C. Prielipp, MD, MBA, FCCM
#5 ビーチチェア位は脳灌流を低下させる可能性がある
David J. Cullen, MD; Robert R. Kirby, MD2007年夏
エディトリアル:なぜビーチチェア位での手術中に血圧を心配すべきか
David J. Cullen MD, MS
#6 周術期ケア中の心血管埋め込み型電子デバイス(CIED)の管理
Jacques P. Neelankavil, MD; Annemarie Thompson, MD; Aman Mahajan, MD, PhD2013年秋
エディトリアル:気分転換に:心血管埋め込み型電子デバイス(CIED)の周術期管理に関するアップデート
Jacques P Neelankavil, MD; Annemarie Thompson, MD; Aman Mahajan, MD, PhD, MBA
#7 神経筋遮断のモニタリング:あなたが患者なら、何を期待しますか?
Robert K. Stoelting, MD2016年2月
エディトリアル:残存神経筋遮断薬:患者安全における継続的な問題
Glenn Murphy, MD
#8 妊産婦安全のための全国パートナーシップ ―妊産婦安全バンドル
Jennifer M. Banayan, MD; Barbara M. Scavone, MD.2016年10月
エディトリアル:妊産婦安全のための全国パートナーシップ ―妊産婦安全バンドル
Jennifer M. Banayan, MD; Barbara M. Scavone, MD
#9 発達中の脳に対する全身麻酔の影響:親の恐怖を和らげながら懸念に理解を示す
Luke S. Janik, MD2016年10月
エディトリアル:発達中の脳に対する全身麻酔の影響:懸念を和らげる時が来たか?
Luke S. Janik, MD
#10 周術期の脳の状態—すべてが前向きな態度、運動、スーパーフードではない
Nirav Kamdar, MD, MPP; Lee A. Fleisher, MD; Daniel Cole, MD2019年2月
エディトリアル:脳の安全:私たちの専門の次の最前線?
Nirav Kamdar, MD, MPP, MBA; Phillip E. Vlisides, MD; Daniel J. Cole, MD
10年前、APSF ニュースレターは25周年(Silver)記念を迎えた(https://www.apsf.org/wp-content/uploads/newsletters/2010/summer/pdf/APSF201010.pdf)。その記念版で、John Eichhorn, MDはAPSFの作成を総括し、患者安全における革新的な成果について議論した。この版は、今後の課題とケア、研究、教育、意識向上、および国内/国際的な情報交換を改善するための安全先導の作成と促進に対するAPSFの取り組みにも焦点を当てた。
10年後、私たちは35周年を「Jade Edition」で祝ってる。Jade(翡翠)は、35周年を記念する現代のシンボルであり、世界中で高く評価されている石である。このシンボルは、APSFによるニュースレターの最近の国際的な拡大とアウトリーチも表している。これらは特筆すべきことである。
この特別号で、急速に増えている国内および国際的な読者に、周術期の患者安全の重要性と、患者の安全性を継続的に改善する上でのAPSFの役割について周知したい。
APSF編集委員会は、COVID-19パンデミックの前の35年間のAPSFニュースレターの記事を見返し、この「What Then?」と「What Now?」という全体のテーマを備えたスペシャル版で強調される最も影響力のある記事「トップ10」を決定するために投票した。これらの記事を適切な文脈に配置するために、過去および現在の編集者は、在職中のAPSFニュースレターの重要性と役割についての見解を示している。
John H. Eichhorn, MD:
創立編集者1985–2001年
1985年後半にAPSFが創立されたときのビジョンは、「いかなる患者も麻酔による害を被るべきではない。」であった。歴史の中で当時このビジョンを追求する中心となったのは、APSF活動全ての中心となる質の高いジャーナルの出版物の作成と普及で、コミュニケーションと研究 、教育、イニシアチブ、討論を総合するために統合された「最終的な共通の経路」である。この目標を念頭に置いて、APSFニュースレターが誕生した。
今日の多くの人にとって想像するのは難しいかもしれないが、1985年には、インターネット/ワールドワイドウェブ、パブリックメール、スマートフォン、またはGoogle検索エンジンはなかった。印刷された新聞、雑誌、そして特に医療専門家にとって、ジャーナルは情報の流れの主要な情報源であり、重要なことに、行動に影響を及ぼした。したがって、APSFニュースレターは、四半期ごとに印刷される「ミニジャーナル」として作成され、合衆国のすべての麻酔専門家および関連する専門家と他国の選ばれた指導者に郵送された。麻酔コミュニティ内である種の親しみを感じさせることを期待して、アメリカの医療用酸素タンクの色と一致する象徴的な明るい緑色のアクセントが付いた白黒で印刷された。
2010年25周年記念APSFニュースレター(表紙に引用)で詳しく説明されているのは、APSFの設立、特にEllison C.(“Jeep”)Pierce Jr., MDの情熱につながった驚くほどの偶然に次ぐ偶然であった。彼はAPSFの初代会長になり、私に連絡して、過去のジャーナリズムと新聞編集の経験をAPSFニュースレターの作成に適用できるかどうか尋ねた。
APSFは、独自の学際的で包括的な組織として特別に設立されたことに注目して欲しい。その最初のリーダーには、主要な麻酔器メーカーの2人のCEOが含まれていた。ニュースレターの立ち上げは、APSFの初代会計であり、当時Puritan-Bennett CorpのCEOであったBurton S. Dole氏によって大部分が円滑に進められた。APSFを設立するための着手金の33%に加えて、彼はAPSFニュースレターの植字、校正、印刷を行うために、彼の会社の印刷部門のサービスを惜しみなく提供した。
APSFニュースレターの創刊号は、1986年3月に、45,000人の読者(ASA、AANA、リスクマネージャー、企業および国際的なサポーター)に予定どおりに郵送された。APSFの設立に関するトップニュースに加えて、「最小限の術中モニタリング」として必要なものについての議論と、ASAクローズドクレーム調査の開始に関するレポートがあった。その他、英国の周術期死亡への機密調査の拡大、ある教育病院での麻酔による心停止の統計、および低酸素血症と高炭酸ガス血症の相対的な危険性に言及されていた。最初のニュースレターは非常に好評で、その後のすべての問題の方向づけをした。初年度後半には、「全身麻酔中の死亡」に関するECRIレポート、気管チューブの正しい位置の検証、オーストラリアでの麻酔による死亡の分析、ある大手保険会社での麻酔クレームの減少に関するレポートが発表された。また、最初のFDA麻酔器チェックアウトプロトコルの発表と、Jeep Pierceの重要な記事「麻酔科学におけるリスク修正」の転載もあった。1986年のASAによる術中モニタリングの基準の適応(表紙の記事を参照)と、安全性を高めることを目的として進化するさまざまな麻酔器とその性能基準(フレッシュガス比の維持、複数の気化器の同時使用をできなくする、など)について幅広い議論があったため、基準は初期の号で特に考察された。術中パルスオキシメトリ、次にカプノグラフィの普遍的な使用に対する強力なサポートは、初期のAPSFの主要なテーマであった。
ニュースレターの発行によるもう1つの有益な効果は、APSFの募金活動を支援することへの貢献であった。原稿は、麻酔実臨床で使用される製品を提供している可能性のある多くの企業の執行役員に送られた。これらの努力の結果は、1980年代の終わりまでに実を結んだ。ある会社はニュースレターを非常に援助してくれた。Hewlett-Packard、Inc.は、当時の新しい高度なテクノロジーであるデスクトップパーソナルコンピューター、多数のフォントカートリッジを備えたレーザープリンター、スキャナー、そして最も重要なことに、当時の最先端のワードプロセッシングプログラムを寄付した。2020年の基準では、この「テクノロジー」はすべて古くさい。しかし、当時は革命的だった。しばらくの間、投稿原稿はまだ紙で届き、入力する必要があったが、編集ははるかに効率的になった。最終的には、テクノロジーが普及し、原稿は米国郵政公社経由で送られたフロッピーディスクで届く様になった。当時のゲラ刷りは印刷してはさみで切り取り、テンプレート上にパズルのように配置して、各号のページを作成した。1990年代後半に、Puritan-Bennettが買収され(3回目)、ニュースレターを印刷できなくなった。幸いなことに、その責務は、別の寛大なAPSF企業サポーターであるAstraZeneca PLCの社長であるBob Black氏によって引き受けられた。ニュースレターの制作は、当時60,000部を超えていたが、デラウェア州ウィルミントンに移され、長年にわたってAPSFへの寄付として制作請負業者はその地で支援された。それらの熟練した熱心な専門家の何人かは、今日までニュースレターを作成し続けている。
主要なテーマ
編集者としての16年間、四半期ごとのAPSFニュースレターは、麻酔患者の安全性が劇的に向上したという現在広く知られているストーリーを、多くの特徴、報告、意見記事、論争中の問題、最新ニュースとともに記録した。
類似の医薬品ラベルと投薬ミスに関する懸念は、1987年にニュースレターに最初に登場し、現在も続いている。新しい安全性の問題が特定されたため、ASAのクローズドクレームプロジェクトが挿話的に取り上げられた。FDAの機器チェックアウトプロトコルとチェックリストは、最初にニュースレターで麻酔関連のコミュニティに紹介された。世界中のさまざまな会議に登場した多数の安全関連のプレゼンテーション、展示、テクノロジー展示が定期的に取り上げられた。臨床医の疲労、労働時間、高齢化、不健康が安全性に与える影響に関する議論、耐用年数を超えた機器と使い捨て器材の再利用に関する議論が定期的に行われた。この時代に手術室外やオフィスベースの麻酔が登場し、患者の安全に対する特別な影響が提示され、詳細に議論された。
麻酔患者の安全性に関する多くの基本的な概念とその臨床診療への影響がニュースレターで紹介された。これには、麻酔診療における人的要因、麻酔送達および監視システムにおけるスマートアラーム、臨床診療におけるプロダクション・プレッシャー(早くも1992年、そしてもちろん、他のすべてのトピックもそうだが、今日も続いている)、手術室での危機管理、患者の術後認知機能障害、閉塞性睡眠時無呼吸の危険性、間違った部位の手術、PCAポンプからのオピオイド過剰投与、さらにはY2Kのコンピューターのバグの終末予測が含まれた。
ニュースレターに認められた多くの「最新ニュース」項目があり、麻酔関連コミュニティに新しい危険性を警告した。たとえば、特定の状況での二酸化炭素吸収剤による一酸化炭素の生成、小児へのサクシニルコリン投与のリスク、脊髄くも膜下麻酔中の交感神経遮断による心停止、髄腔内5%リドカイン投与による神経学的合併症、腫脹性脂肪吸引によるリドカイン中毒、アナフィラキシーを引き起こすプロポフォール後発品中の亜硫酸塩、開封されたプロポフォールのアンプルの細菌汚染、があった。さらに多くの「注目の話題」には、汚染によるセボフルランのリコール、虚血性視神経症による麻酔後の失明、さまざまな機器/供給の問題(例えば、手術室内死亡を引き起こすガスパイプライン誤接続)、手術室内での読書(現在では携帯電話やインターネットの使用による注意散漫)のような特定の人的要因議論が含まれていた
2001年の終わりに、私は編集者の立場を最もふさわしい後継者に引き継ぐことができた。Robert Morell, MDは、編集委員会と作成で何時間も費やし私を助け、その間ずっと編集技術を学んでいた。彼は非常に熱心に編集に取り組み、彼の在職期間中エネルギーと革新をもたらし、私は彼とAPSFニュースレターの両者を非常に誇りに思う。
Robert C. Morell, MD:
編集者2002–2009年(およびLorri A. Lee MDとの共同編集者、2009–2016年)
私が最初1993年にAPSFとニュースレターに関与した時、Rick Siker, MDが私にJohn Eichhorn, MDと連絡を取らせ、彼はその後、小児期と青年期におけるサクシニルコリンの使用の安全性に関するFDA/麻酔および生命維持諮問委員会の会議に出席して報告するように私に勧めた。John Eichhornは、その最初の安全性報告の任務で私の指導者となり、その結果、APSFニュースレターにPro/Conのコラムが掲載された(https://www.apsf.org/article/in-my-opinion-a-debate-is-succinylcholine-safe-for-children/)。彼は私のニュースレターへの関与を奨励し、私を編集委員会に任命し、長年私の指導者であり続けた。最終的に私は副編集長になり、2001年に編集長としてJohn Eichhornを引き継いだ。
当時、APSFニュースレターの発行部数は36,825で、黒、白、緑で印刷されていた。2016年に編集者を辞任したとき、発行部数は122,000を超え、フルカラーで印刷されていた。抜粋は、Nikolaus Gravenstein, MDと彼の中国人の同僚の発案と努力によって中国語に翻訳された。
ニュースレターの15年間の変化、進歩、影響を振り返ると、その成功は多くの素晴らしい才能のある個人の信じられないほどの努力によるものであったことがはっきりとわかる。Michael Olympio, MDは、Dear SIRS(Safety Iinformation Response System、現在はRapid Response)コラムの共同創設者である(詳細は、99ページを参照)。彼はAPSF技術委員会(Committee on Technology, COT)の強力なリーダーであり、麻酔器技術の安全上の問題から二酸化炭素吸収剤の種類とその安全性への問題の包括的なレビューに至るまで、多くの重要な記事に関与した。
私にとって記憶に残るニュースレターの号は、核テロ、生物学的テロ、化学テロ、(現在、タイムリーで重要な)重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome, SARS)に関する特別号で、患者と臨床医の両方の安全に取り組んでいる。患者の安全への重要な貢献には、術後の視覚障害と虚血性視神経症、および座位またはビーチチェア位での手術に関連する脳の低灌流のリスクに関する広範な議論が含まれている。術中の火災安全に関連する記事と報告の教育的価値と、APSFビデオは重要であり、読者の間で非常に人気があった。
John Eichhorn, MDとJeffery Vender, MD、Glenn Murphy, MD、Jan Ehrenwerth, MD、Joan Christie, MD、Wilson Somerville, PhDら編集委員の貢献がなければ、ニュースレターは成功しなかったであろう。また、Sorin Brull, MDは、すべての助成金受領者の年次包括レポートと、神経筋遮断のモニタリングの問題に関連する頻出する重要なコンテンツの提供に加えて、すべての出版前ドラフトのすべての単語を熱心に読んだ。APSF教育委員会の元議長であるRichard Prielipp, MDは常に他人の手本となる人物であり、APSFニュースレターとジャーナルAnesthesia and Analgesia(A&A)の関係の始まりとそれに引き続いた連携の発案者であり促進者であった。Richardと私、そしてA&A編集者のSteve Shafer, MDとのシカゴでの昔の会議は、APSFとA&Aの間の非常に重要なコラボレーションを築き上げた。これは、Sorin Brullと今はRichard Prielippによって長年にわたって立派に培われてきた。
神経麻酔と術後視覚障害の世界的に有名な専門家であるLorri Lee, MDは、編集委員会のメンバーから副編集長に昇進し、すぐに共同編集者になった。Lorri Leeは、Bob Caplan, MD、Karen Posner, MDとともに、ASA クローズドクレームデータベースの専門知識から収集した継続的なガイダンスとコンテンツも提供した。
Steven Greenberg, MDは、救命救急、心臓麻酔、神経筋遮断の専門知識を持ち、多くの重要な記事に寄与し、驚くべき学術的信頼性と着想を提供した。Stevenは編集委員会のメンバーとしてスタートし、すぐにアシスタントに昇進し、次に副編集長になり、私の引退後、ついに編集長になった。彼は最近、ニュースレターをさらに影響力のあるものにし、真に国際的な出版物にした。
APSFに携わってから23年間、私は幸運にも、患者の安全性を大幅に向上させる多くの重要な取り組みに参加できた。ニュースレターは常にAPSFの顔であり続け、重要でしばしば危機的な情報を伝達する手段であり、現在はSteven Greenbergのリーダーシップの下で国際教育ツールとして機能している。ニュースレターは、世界で最も多く流通する麻酔出版物となっている。これは、元会長のBob Stoelting MD、執行委員会、取締役会、そして最も重要なことに、編集委員会の支援と指導なしには不可能であった。Rick Siker, MD、Jeep Pierce, MD、およびJ.S. Gravenstein, MDを悼んで、彼らは患者安全の偉人であり、私は彼らを知り、彼らに触発され、本当に幸運であった。私は、無私の努力と専門知識を捧げてくれたすべての人と、APSFニュースレターと患者安全に貢献する機会を与えてくれたことにいつも感謝している。
Steven B. Greenberg MD:(2017年、Lorri A. Lee MDの共同編集者)
2018年から現在、編集長
メンターシップとは、経験豊富な人や知識のある人が、特定の分野や取り組みにおいて経験の浅い人や知識のない人を導くのに役立つ関係である。患者の安全への取り組みを成功させ、永続させることは、真の要素である。私は幸運にも「偉大な人々」の足跡をたどることができた。私のメンターの1人であるJeffery Vender, MDが2007年の最初のAPSF編集委員会に私を連れて行った瞬間から、麻酔の患者安全の分野の巨人で部屋がいっぱいであることがわかった。特に、私の前任者であるJohn Eichhorn、Robert Morell、Lorri Leeは、安全な周術期の患者ケアのために針を前方に進める時が来たとき、明確に「実行した」。
APSFニュースレターには多くの患者安全の先駆けがある
John Eichhorn、Robert Morell、およびLorri Leeの指導によって、APSFニュースレターのすでに成功している事業を足場としての私の努力が導かれた。彼らの指導とニュースレターの教育的側面の偉大な伝統を継続したいという私の願望により、私たちは、学際的で専門的なAPSF理事会によって投票された12のAPSF患者安全イニシアチブに取り組むための教育的努力を強化した。その目的とは以下である。1)周術期の臨床的悪化の予防、検出、緩和; 2)手術室以外の場所での安全性; 3)安全性の文化; 4)投薬の安全性; 5)周術期せん妄、認知機能障害、および脳の健全; 6)院内感染、環境微生物の汚染と感染; 7)患者に関連するコミュニケーションの問題、引き継ぎ、ケアの移行; 8)気道確保困難、技術、器具; 9)安全性にプラスの影響を与える費用効果の高いプロトコルとモニタリング; 10)プロセスの実施と継続的改善への安全性の統合; 11)燃え尽き症候群; 12)手順領域での注意散漫。さらに、COVID-19患者の安全な管理、局所麻酔薬の全身毒性、アラーム疲労、オピオイド誘発性の換気障害など、他の重要なトピックを取り上げた。
多様な編集者の展開
APSFは、ニュースレターに、マサチューセッツ総合病院のEdward Bittner, MD, PhD、ノースウェスタン記念病院のJennifer Banayan MD、ペンシルベニア大学ペレルマン医学部のMeghan Lane-Fall, MDを含む優秀で才能のある編集者を数名追加した。これらの編集者は、APSFニュースレターが周術期の安全性の問題の広い範囲について読者を教育することを可能にし続ける膨大な量の知識と専門知識をもたらした。さらに、私たちの編集委員会は、麻酔に関するすべての専門家と多職種の存在も含むように拡大した。最後に、現在更新されている形式のAPSFニュースレターは、MEBU Design & MarketingのBonnie BurkertとJay Mahannaの信じられないほどの創造性と継続的な献身、および私たちのプロジェクトマネージャーであるCeleste Patesの継続的な作業がなければ、今日のようにはならなかった。
コミュニケーション範囲が大幅に拡大
コミュニケーションへの投資により、APSFはEdensWorks, Inc.からMikeEdensとKatieMeganを採用した。彼らは、Webサイトの発展と我々の世界的展開の拡大を支援するという並外れた仕事をしてきた。APSFウェブサイトディレクターのArney Abcejo, MDとAPSFソーシャルメディアディレクターのMarjorie Stiegler, MDの両方のリーダーシップとたゆまぬ努力によって、APSFニュースレターは今日私たちが知っている複雑なデジタル世界のさまざまなスペースを使用することができた。EdensWorks, Inc.は、APSFニュースレターに、国内外で公開している各記事への固有の訪問者に関するデータ分析を提供している。この分析情報を使用して、構成員にとって最適なターゲットであるトピック、特に患者の安全情報に関連した、を選択できるようになった。
APSFニュースレター:国際安全教育ツール
1985年の当初の使命において、APSFが推進したかった3つの公理の1つは、「情報とアイデアの国内および国際的な交換」であった(APSF Newsletter. 2010;25:21)。安全な麻酔ケアには境界がないため、ニュースレターの国際翻訳プログラムの確立に取り組んできた。宮坂勝之医学博士による2016年の日本の麻酔文化に関する記事は、飯田宏樹医学博士、澤智弘医学博士などとの関係を築き、2017年にAPSFニュースレター日本語版が初めて出版された。この画期的な事業は、APSFニュースレターを作成し、中国語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語に翻訳するために、国際的な安全専門家との数えきれない関係を発展させるための基盤を提供した。私たちの国際的な査読者グループは、APSFとの関係について洞察に満ちたフィードバックを提供している(77ページを参照)。私たちの編集者グループは、国際的な査読者の継続的な関与により、10人を超える現在活躍中のメンバーを擁し、国際的な編集委員会を発展させ、成長を続けている。
国際プログラムの追加により、私たちの全体的な存在感が高まり、世界中の麻酔専門家の安全知識をさらに拡大することができた。2017年の開始以来、国際ニュースレターへのオンラインの固有の訪問者数は3000%増加して約37万人になった。さらに、COVID-19パンデミックの際に、読者に最新の臨床を知らせる努力により、ニュースレターの固有の訪問者数は120%増加して676,402人になった。私たちはニュースレターをさらに他の言語に翻訳する予定であり、現在の安全に関する知識と実践を世界中の麻酔専門家に広め、すべての患者の安全を維持するよう努める。
麻酔治療における患者の安全の未来は明るい。私たちは、教育、研究、イニシアチブ、および支援活動を組み合わせて、「いかなる患者も麻酔による害を被るべきではない」というビジョンをさらに推進し、麻酔患者の安全情報の国際的な中心としてのAPSFの評価を引き続き強化したい。
John Eichhorn, MDは、APSFニュースレターの創立編集者および発行者であった。カリフォルニア州サンノゼに住み、麻酔学の元教授として、引き続きAPSF編集委員会の委員を務めている。
Robert Morell, MDは、APSFニュースレターの編集長を歴任した。フロリダ州ニースビルの個人開業麻酔科医である。
Steven Greenberg, MDは、APSFニュースレターの現在の編集長である。ノースショア大学ヘルスシステムの麻酔科、救命救急および疼痛医学の教育担当副科長であり、シカゴ大学の麻酔および救命救急科の臨床教授である。
著者らに開示すべき利益相反はない。