局所麻酔薬中毒 (LAST) 再訪:発展のパラダイム

Guy Weinberg, MD; Barbara Rupnik, MD; Nitish Aggarwal, MD, MBA; Michael Fettiplace, MD, PhD; and Marina Gitman, MD

はじめに

イントラリピッド数十年にわたる臨床および基礎科学の成果を結び付けることで、局所麻酔薬中毒 (LAST) の根底にあるメカニズムと臨床背景に関する我々の理解は深まった。APSF ニュースレターは臨床医を教育し、LAST のさまざまな症状および最適な治療に対する認識を高める上で重要な役割を果たし、この医原性合併症による患者の生命にかかわる症状を確実に改善してきた。局所麻酔薬の新しい用途と形態を特徴とした局所麻酔を取り巻く状況の変化は、LASTの臨床的特徴と背景に近年変化をもたらした。

特に、超音波ガイド下ブロックの適応、カテーテルを介した、あるいは静脈内投与、局所浸潤、ERASでの区域麻酔と局所麻酔の役割の拡大、マルチモーダル鎮痛、がんリスク修飾の可能性は LAST の変わっていくその特徴への注意を必要とする。

発生率

LAST はどのような臨床環境でも発生する可能性はあるが、実際に経験するまで臨床医は配慮しないか過小評価することが大半である。また、報告されている推定発生頻度は大きく異なっている。学術機関での一部の単一施設研究では、LAST の発生率は非常に低く報告されているが、1 近年の大規模なレジストリ2 および管理3,4 データベースの分析では、一般的に末梢神経ブロックの1000件に1件の割合で発生している。しかしながら、過少報告、誤診、またはその他の原因として捉えられているケースがあることを考えると、実際の割合はさらに高い可能性がある。

特に Morwald らはLAST と一致する兆候と症状から、全体的な割合を関節置換時の末梢神経ブロックの 1.8/1000 と特定した。しかし、同じ集団で LAST の発生と同等とみなされる脂質エマルジョンの使用については、2014年には膝関節置換1000件あたり2.6件あるいは神経ブロックによる 384 件の手術のうち1 回であったと特定した。3 「稀な事象」は、実際にはそれほど稀なことではないのである!これは局所麻酔薬を投与されているほぼすべての患者でLASTが発生する可能性に注意する必要があることを喚起している。

リスク

LAST に対する感受性が高い患者を特定することで、臨床医は治療を変更してリスクを軽減できるため、リスクを高める要因を理解することが重要である。低酸素症とアシドーシスは、数十年前は LAST のリスク因子として認識されていた。5 最近特定された併存疾患には、既存の心疾患(特に虚血、不整脈、伝導系異常、および駆出率の低下)、好発年齢、虚弱、およびミトコンドリア機能障害(カルニチン欠乏症など)を引き起こす状態が含まれる。肝臓または腎臓疾患は、局所麻酔薬の代謝や排泄を低下させることによって、遅発性 LAST のリスクも高めることがある。5 興味深いことに、Barrington and Kruger2は、2007年1月から2012年5月までにオーストラリアで実施された25,000 件の末梢神経ブロックの登録を調べ、22 例の LAST を特定した(総発生率、1000 件あたり 0.87 件) 。超音波ガイドにより LAST のリスクが低下することが判明した(オッズ比、0.23、CI:0.088–0.59, p=0.002)— これはおそらく未確認の血管内注入が減少し、神経ブロックを達成するために使用される薬物が少量となった結果に基づいていると考えられる。にもかかわらず、これらの事象を完全に排除できる単一の方法はなく、報告された LAST の約 16% が超音波の使用にもかかわらず発生している。Barrington と Kruger は、患者の体格が小柄であることが LAST の危険因子であることも指摘した。局所麻酔薬の大きな貯蔵部位としての骨格筋の役割は、この現象を説明できる可能性があり、Fettiplace らによるラットモデルで確認された。6 そのような「リスクのある」すべての患者で局所麻酔薬の投与量を調整するか、リスクが大きすぎると考えられる場合は末梢神経ブロックまたは局所麻酔薬の投与を完全に避けることが妥当である。驚くべきことに、Barrington と Kruger はロピバカインが16症例に関与していることを見出し、残りはリドカインが原因であった。特にリドカインの LAST の割合はロピバカインの LAST の割合の約 5 倍にも上った。

環境

3つの大規模な研究で、過去40年間の LAST の臨床背景を特定するために公開された症例報告がレビューされた:DiGregorio ら7 (1979年10月~2009年10月); Vasques ら8 (2010年3月~2014年3月); GitmanとBarrington9 (2014年1月~2016年11月)。これらの論文データは、LAST の展開状況を描写しており、後者の2つは過去10年間を具体的に網羅している。1979年から2009年の間に、硬膜外麻酔と腕神経叢ブロックはそれぞれ LAST 症例の約 3 分の 1 であった。しかし過去10年間に神経幹(硬膜外および仙骨)麻酔は LAST の公開された症例の約 15% にしかならない。現在四肢ブロックは症例の約 20% を占めており、陰茎神経ブロックと局所浸潤に関連すると考えられる兆候があり、それぞれ報告された症例の約 20% を占めている。興味深いことに、ある施設は背側陰茎神経ブロックに関連する LAST の急増加を報告した。10 この施設はこの事象の突然の停止につながった局所麻酔管理システムの改善を採用した。レビューは LAST が静脈内持続投与、傍脊椎、眼球周囲、腹横筋膜面、上顎神経ブロック; ゲル形態での局所投与; 経口、食道、または気管粘膜への使用後にも発生したことを示している。近年の報告では、120mg のリドカインの粘膜下鼻内投与後の心停止が記載されている。11 明らかに LAST は局所麻酔薬を使用するといつでも発生し得る。

過去 10 年間の LAST 症例の約 80% は病院で発生し、 最大 10% がオフィスで発生し、残りは救急治療室または自宅で発生した。麻酔専門家あるいは研修者が約60%の症例に関与し、外科医は約30%に関与、残りは歯科医、救急医、小児科医、心臓専門医、皮膚科医に広く分布していた。これは、あらゆる機会を利用して、LASTのリスクと管理について同僚に教育する必要があることを喚起している。

タイミング

3つの大規模研究は、超音波ガイドとカテーテルベースの技術の両方の出現を反映しており、過去40年間で LAST の発症が遅延する傾向を示している。超音波の適切な使用は血管内注入と即時発症LASTの危険性を低下させることが可能である。単回投与の神経ブロックで10分間以上発生が遅延したのは、2009 年以前の事例では 最大でも12%のみであったが、過去 10 年間年間に公開された事例では最大40%である。近年の報告では、カテーテルまたは静脈内投与による治療開始から数時間または数日間までに一時的に中止される状況となる LAST に関して記述されている。これはおそらく標的組織における薬物蓄積の結果として起こり、タイミングと状況の両方に問題があるため特に懸念される。間隔が長いと局所麻酔薬投与との関係が曖昧になる。 さらに LAST が手術室から離れた「オフサイト」で発生した場合、そこでの発症が稀なため、担当介護者は、その問題、検知および治療に関して意識していない、あるいは知識がない可能性がある。

症状

LAST は中枢神経系 (central nervous system: CNS) および心血管系(cardiovascular: CV) 毒性のさまざまな兆候と症状を引き起こす(表1)。これらは軽症または重症であったり、別々にあるいは同時に発生する可能性がある。CNSのみの症状は報告された症例の約半分で発生し、CNSとCV を合わせた症状は約3 分の1で、残りはCVのみの 症状である。後者の多くは、CNS 毒性を確認するのが難しい全身麻酔または深い鎮静下で発生した。痙攣は全体的に最も一般的な初期兆候であり、症例の約 50% で発生した。耳鳴り、金属味、幻覚、不明瞭な発語、四肢の痙攣、四肢感覚異常、意図振戦、顔面の sensorimotor(訳注:顔面の感覚異常から始まり運動障害が起こる)、眼球運動異常などの軽度の中枢神経機能症状または「前駆症状」は、DiGregorio らによって報告された患者の16% のみに認められた。 だが Vasques らと Gitman らのデータを合わせると約 30% である。これは注入中の吸収あるいは徐々に起こる発症による二次的な LAST の増加と一致している。CV 毒性の最も一般的な特徴は不整脈(徐脈、頻脈、VT/VF を含む)、伝導障害(脚ブロック、AV 伝導ブロック、幅広QRS)、低血圧、および心停止(電気ショック非適応リズム、PEA、および心静止を含む)であった。数分間にわたる急速な悪化を伴う進行性の中毒(特に低血圧および徐脈)は、重症の LAST の典型である。どの患者の症状が悪化するかを予測することは不可能である。ただし、早期治療は悪化を遅らせるか、防ぐことが可能である。 したがって、LAST と一致する兆候または症状を有する局所麻酔薬が使用されている患者に早期介入の準備をすることが重要である。

表1:LAST の管理

局所麻酔薬中毒の臨床的特徴

危険因子
  • 低酸素症またはアシドーシス
  • 好発年齢
  • 小柄な患者または筋肉量が少ない
  • 虚弱体質
  • 心疾患:
    • 冠動脈疾患、低心拍出量、不整脈、脚ブロック
  • ミトコンドリア機能障害
  • 肝疾患または腎疾患
  • カルニチン欠乏症
予防策
  • 最小有効量の使用
  • 血管内投与を検知するものの使用(アドレナリン など)
  • 適切なモニター
  • 分割投与
  • 頻回の吸引
  • 個々に合わせた投与量
  • システムの安全性(準備など)
  • 医師と看護師の教育
  • 患者の危険因子の評価
症状と徴候
前駆症状 主要な CNS 主要な CV
  • 耳鳴り
  • 金属様の味覚
  • 高血圧
  • 頻脈
  • 多弁/錯乱
  • 鈍麻
  • 痙攣
  • 昏睡
  • 徐脈/心臓ブロック
  • 低血圧
  • 心室性頻拍または細動
  • 心静止
局所麻酔中毒の治療
  1. 局所麻酔薬の投与をやめる/助けを求める
  2. 気道管理
  3. ベンゾジアゼピンによる痙攣抑制
  4. 必要に応じたCPR
  5. 20% 脂質エマルジョン 1.5mL/kg (2 ~ 3 分以上かけてボーラス投与)

LAST の最初の蘇生は冠動脈灌流を維持する標準 CPRとは異なり、またはそれに加えて、根底にある局所麻酔薬の毒性の軽快に焦点を当てる。したがって、アシドーシスと低酸素は共に LAST を悪化させるため、最初の重要な点は痙攣抑制と正常な動脈血酸素飽和の確立である。重症の LAST に関して CPR が失敗した場合に体外循環への経路を確保するために体外循環チームへ早期に連絡すること。CPR 中に局所麻酔薬の抗不整脈薬(LAST を悪化させる)、ベータ遮断薬およびカルシウムチャネル遮断薬(心筋収縮性を低下させる)、バソプレッシン(後負荷のみの増加は局所麻酔薬の作用で心臓が十分に収縮しないため望ましくない)は避けること。エピネフリンは低血圧の治療に許容されるがリピッドレスキューの効果を減弱させる可能性があるため少量にとどめる(例:ボーラス<1 mcg/kg)。脂質エマルジョンの最初のボーラスを 2~3 分以上かけて投与した後、残っているLAST を反復ボーラスおよび/または持続投与(安定するまで0.25mL/kg/min または 15~20分かけて200~250 mL)で管理すること。最大投与量:理想体重で12mL/kg。プロポフォールは脂質エマルジョンの代替品ではない。

リポソーム製剤

イントラリピッド 20%リポソームブピバカイン (Liposomal bupivacaine: LB) は、徐放によりその作用を延長するように設計されたナノ粒子キャリアマトリックスに局所麻酔薬を含んでいる。Exparel® (Pacira Pharmaceuticals、カリフォルニア州サンディエゴ) は、合計 266mg (1.3%) のブピバカインを含む 20mL バイアル製剤である。これは成人患者に対するメーカーが勧告する最大使用量である。2011 年に食品医薬品局 (Food and Drug Administration: FDA) により術後鎮痛を増強するための手術部位への直接注射が承認され、2018 年には斜角筋間腕神経叢ブロックが承認された。12 薬剤の 3% が非結合分画であり、投与時に一定レベルの鎮痛が得られる。ブピバカインの血中濃度は LBの注射後最大 96 時間持続する。したがって、遅発性の中毒のために患者を適切にモニターする必要がある。その他の局所麻酔薬と同様、特定の併存疾患を持つ患者は感受性の亢進(虚血性心疾患など)やブピバカインの血漿レベルの増加を伴う代謝障害(肝疾患など)によって急性あるいは遅発性中毒を発症するリスクが高くなる。

Exparel 製剤投与から 20 分以内にブピバカイン以外の局所麻酔薬を投与すると、(外科医と麻酔科専門家のコミュニケーションがうまくできていないと起こり得る)、リポソームブピバカインが突然放出され、非結合分画の血漿ブピバカイン濃度が危険なレベルに上昇する。この現象の正確なメカニズムは解明されていない。その場合、2 つの局所麻酔薬の毒性は相加的である。Burbridge と Jaffe 13は、Exparel 製剤の投与から 20 分以内に他の局所麻酔薬の同時投与を避けることに関する議論を促すために、手術室スタッフの教育や薬瓶の「タイムアウト」の実施などの安全対策の重要性を強調している。

FDA 有害事象報告システム (FDA Adverse Event Reporting System: FAERS) データベースには、臨床家と患者によって提出された報告書が含まれている。2012年1月1日から2019年3月31日の間に報告を受けた、Exparel 製剤が疑わしい医薬品として挙げられ、かつLAST の兆候または症状(痙攣または CNS 症状と CV 障害の両方)があったFAERS データ分析が不均衡分析 -「情報コンポーネント」(Information Component: IC025) を測定し、世界保健機関で使用されている医薬品安全性監視ツール – によって検討された。14 これは、関心のある特定の事象が特定の薬剤と共起する割合と、この事象が薬剤なしで発生する割合をイベントデータベース内で比較する。IC025 の 95% 信頼区間の下限がゼロより大きい場合、統計的に有意なシグナルがあるとされる。そのような有害事象シグナルが、LAST とリポソームブピバカインの間に発見された。2012年1月1日から 2019年3月31日までの分析では、全体の IC025 は 1.65 であった。データセットを 2 つの期間(2012年1月から2015年12月と2016年1月から2019年3月)に分割すると、両方の期間で有意なシグナルが続いていることが示された。これは因果関係を証明するものではないが、Exparel 製剤と LAST の兆候または症状との間の統計的に有意なシグナルがあることを示している。

不明瞭なLASTの報告書

Weibel らによる周術期リドカイン静脈内投与の最近のコクランライブラリの更新では、15 リドカイン投与と胸部硬膜外鎮痛を比較する 68 件の臨床試験のうち、18 件は有害事象について全くコメントされていなかったことが判明した。残念ながら残りの 50 件の研究報告方法における不均一性によってこれらのデータのメタ分析は行えなかった。局所麻酔薬に関した臨床試験での LAST の確認と報告を改善および標準化する必要があることは明白である。これは特に LAST を鑑別するシステムが手術室ほど堅牢ではないカテーテルおよび静脈内投与の研究に当てはまる。これを行うまで、関連するリスクの理解は事例報告や個人的な経験に依存するしかなく、妨げられたままとなる。

治療

2010年に英国およびアイルランド麻酔科医協会 (Association of Anaesthetists of Great Britain and Ireland: AAGBI) および局所麻酔薬中毒に関する米国区域麻酔疼痛医学会議 (ASRA) ワーキンググループは、LAST を体系的に治療するための推奨事項を個別に初めて公開した。16 両グループも気道管理と痙攣抑制に加えて LAST の治療に特有の重要な要素として、脂質エマルジョンの迅速な投与に焦点を当てた(表1)。

興味深いことに、公開されたLASTの報告の割合は 2009 年以前の 1 年あたり 最大 3 件から、過去 10 年間で 最大年間 16 件に増加した。報告のバイアスが一定であるとすると、これは過去 10 年間で患者の転帰が改善されたため医療者が症例報告に意欲的になったことを反映している可能性がある。ASRA は2010 年以降チェックリストアプローチの採用と脂質エマルジョン投与のさらに容易な方法を含む修正を加えて、勧告書を 2 回更新している。5 そこで 2 つの重要な点を言及する必要がある。始めに、発生機序から治療方法がわかる。脂質エマルジョンの投与によって局所麻酔薬の再分配を加速することにより LAST が改善される。6 これは脂質エマルジョンによるpartitioningと直接陽性変力効果に起因する。17脂質エマルジョンは局所麻酔薬に対して感受性が高い臓器(脳、心臓)から貯留臓器(骨格筋、肝臓)への「シャトル」薬になる。これには血漿中に脂質の「バルク層」を確立するために、比較的多量の脂質を投与する必要がある。(最大 2 分間で 1.5 mL/kg など)。ボーラス投与を繰り返すか低速度で投与を続行してもよい。投与方法の違いはバルク層を維持する必要性ほど重要ではない可能性が高い。Liu らによる重要な研究18 はブピバカイン中毒のラットモデルを用いて、LAST の改善においてボーラス投与の繰り返しの方がボーラス投与に持続投与を加えるよりも優れていることを示した。だが脂質投与を選択した場合、脂肪過負荷を回避するために、理想体重に対して 最小 10~12 mL/kg の投与上限に注意することが重要である。つまり、投与を停止することを忘れてはならないのである!次に、心筋虚血と局所麻酔薬中毒の根底にある病態生理が異なるため、LAST でのCV 不安定性に対する治療戦略は虚血性心停止に使用される戦略とは異なっている。したがって、脂質を注入することで本来の局所麻酔薬中毒を治療し、必要に応じて血圧を維持するためのエピネフリンの用量は減らして(ボーラス最大1 mcg/kg)使用することが望ましい。19 バソプレッシンは避けるべきである。動物モデルでは後負荷の増加だけでは利点がなく、有害な効果が確認されているからである。20 重篤な事象の発生時には体外循環チームに連絡しておくことが賢明である。そうすれば最初の蘇生が失敗した場合に代替の循環支援として体外循環を準備することができる。

結語

LAST は局所麻酔薬を使用するといつでも発生する可能性がある。適切な投与と完璧な技術であっても患者の感受性、システムの問題、無作為な不具合によって LAST の根絶が妨げられる。高齢者における局所麻酔使用の増加、およびオピオイド節約麻酔、マルチモーダル鎮痛、または、がんリスク修飾のための局所麻酔薬の経カテーテルあるいは静脈内投与の出現により、最善の努力にも拘らず LAST は遅延したタイミングで予想外の場所で確実に発生し続ける。「リスクが高い」患者を特定しシステムの安全性を向上させることでLAST の可能性は低下するであろう。

臨床家は、局所麻酔薬を使用する場合はいかなる場所であっても LAST の治療計画を準備しなければならない。早期介入により発生を予防または遅らせることができるため、局所麻酔、麻酔の浸潤や注入の状況において普段と異なるCNS兆候や CVの不安定性があれば、反証がない限りLASTの可能性を考慮すべきである。麻酔専門家は、患者に局所麻酔薬を投与する他の医療提供者を積極的に教育しなければならない。これには、注射器を使用する他の専門分野の人間や局所麻酔薬の投与を受けている患者のケアを担当するフロアスタッフに情報提供することが含まれる。LAST およびその治療の改善されたモデルは、患者の安全性を向上させ、命を救うために採用可能な対策を提供し続けている。

 

Dr. Weinberg はイリノイ大学医学部シカゴ校の麻酔学教授であり、イリノイ州シカゴ市の Jesse Brown VA Medical Center の医師である。

Dr. Rupnik はスイスのチューリッヒにあるバルグリスト大学病院のコンサルタント麻酔科医である。

Dr. Aggarwalはコネチカット州ニューヘイブン市のエールニューヘブン病院の医師である。

Dr. Fettiplace はマサチューセッツ州ボストン市のマサチューセッツ総合病院の麻酔科医である。

Dr. Gitman はイリノイ州シカゴ市のイリノイ大学医学部の麻酔学の助教授(日本の講師・助教に相当)である。


Dr. Weinberg は ResQ Pharma, Inc. の役員および株主であり、教育用ウェブサイト www.lipidrescue.org を管理している。Dr.Rupnik、Dr. Aggarwal、Dr. Fettiplace、および Dr. Gitman はこの記事に関し利益相反はない。


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