肥満とロボット手術

Allison Dalton, MD

肥満は、罹病と死亡を増加させる世界的な健康問題である。1 米国では、成人の約35%が肥満である。2 肥満の割合が増加するにつれて、肥満患者の手術の割合もまた増加することが予想される。ロボット支援は骨盤内手術(泌尿器科、婦人科、遠位結腸直腸手術)で利点がいくつかある。ロボット手術は、皮下組織の厚い患者で、手首付き手術器具を使用することで精度と可動性を高めながら、外科医の身体的負担と緊張を軽減することができる。3 骨盤臓器の外科的視野を最適化するために、大部分のロボット骨盤内手術において急勾配のトレンデレンブルグ体位がとられる。頭低位30-40度と定義されている急勾配のトレンデレンブルグ体位は、血行動態の変化、肺機能の変化、気道浮腫、頭蓋内圧と眼内圧の上昇、機械的滑落および神経損傷などのリスクと関連している(表1)。4 肥満患者では、手術室におけるリスク低減のための戦略を実行することが不可欠である(表2)。

表1:肥満患者のロボット骨盤内手術のリスク

心臓血管
  • CVPの上昇
  • 腸間膜血流の減少
呼吸器
  • FRCの減少
  • ERVの減少
  • 低酸素症
  • 高二酸化炭素血症
  • 無気肺
  • 呼吸不全
気道
  • 気道浮腫
  • 皮下気腫
  • 鎮痛薬、鎮静薬、残存麻酔、残存筋弛緩、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA: Obstructive Sleep Apnea)または肥満低換気症候群(OHS: Obesity Hypoventilation Syndrome)による呼吸抑制のリスクの増加
神経系
  • ICPの上昇
  • IOPの上昇
  • 視覚障害または喪失
体位
  • 神経損傷
  • コンパートメント症候群
  • 横紋筋融解
CVP – central venous pressure中心静脈圧; ERV – expiratory reserve volume予備呼気量; FRC – functional residual capacity機能的残気量; ICP – intracranial pressure頭蓋内圧; IOP – intraocular pressure眼内圧; OSA – obstructive sleep apnea閉塞性睡眠時無呼吸症候群; OHS – obesity hypoventilation syndrome肥満低換気症候群

表2:ロボット骨盤内手術を受ける肥満患者のリスク低減

心臓血管
  • 十分な血管内ボリュームを確保する
  • 十分なMAPを確保する
呼吸器
  • 可能な限り最少の腹腔内吹送圧を使用すること
気道
  • 急勾配のトレンデレンブルグ体位になったら、ETT(気管チューブ)の位置が適切か再確認する
  • 慎重に輸液投与をして浮腫のリスクを低減する
  • 抜管の前にカフリークテストを実施する
  • オピオイド、鎮静薬の慎重な使用
  • 術後の連続的パルスオキシメーターモニターをする
  • 術後酸素補充療法が推奨される
  • 適応があれば術後CPAPを検討する
神経系
  • 十分なMAPを確保する
  • 目が圧迫されないようにする
  • ICP増加のリスクがある患者では脳神経外科医に術前コンサルト
  • IOP増加のリスクがある患者では眼科医に術前コンサルト
体位
  • 体位決めの前に十分な静脈路を確保する
  • 圧迫点が適切に保護されていることを確認する
  • 滑落の危険性を減少させる(滑り止め寝具、砕石位、パッド付き体幹クロスストラップ)
  • 可能な限り最小限のトレンデレンブルグ体位にする
  • 急勾配のトレンデレンブルグ体位の時間を最小限にするようにする
CPAP – continuous positive airway pressure持続気道内陽圧; ETT – endotracheal tube気管チューブ; ICP – intracranial pressure頭蓋内圧; IOP – intraocular pressure眼内圧; MAP – mean arterial pressure平均動脈圧

血行動態

ロボット支援腹腔鏡下骨盤内手術は、外科手術の視覚化を最適化するために、急勾配のトレンデレンブルグ体位に加えて気腹を必要とする。急勾配のトレンデレンブルグ体位時に腹腔内に二酸化炭素を吹送すると、腹部動脈の直接圧迫に続発すると考えられる全身血管抵抗(SVR: systemic vascular resistance)と平均動脈圧(MAP: mean arterial pressure)の上昇が起こる。通常、手術中の心拍出量(CO: cardiac output)は維持されるが、わずかな減少が観察されることもある。5,6 腹腔内吹送に伴って局所血流の変化が起こりうる。腹腔内圧上昇のために腸間膜の血流が減少しうる。中心静脈圧(CVP: central venous pressure)は、急勾配のトレンデレンブルグ体位の開始当初、気腹による胸腔内圧の上昇と腹腔内容物による横隔膜の頭側圧迫のために、上昇する可能性がある。5 したがって、これらの条件下では、CVPは患者の血管内ボリュームを正確に反映しないかもしれない。腹腔内圧および胸腔内圧の上昇にもかかわらず、一定の吹送圧では、急勾配のトレンデレンブルグ体位の影響のために静脈還流が維持されるように思われる。5

呼吸器系

肥満は肺生理の様々な変化と関連している。腹腔内圧の上昇と肺および胸壁のコンプライアンスの低下により、肥満は拘束性肺障害の進行と関連する。7 さらに、肥満は機能的残気量(FRC: functional residual capacity)と予備呼気量(ERV: expiratory reserve volume)の減少を伴い、術中術後の両方で無呼吸または低換気による急速な酸素飽和度低下をもたらす。7 クロージングキャパシティよりもFRCが低下すると、通常呼吸中の気道閉鎖につながる可能性がある。気道閉鎖の程度は、動脈の酸素化および低酸素血症と関連付けることができる。7 これらの生理学的な肺の変化は、全身麻酔下および急勾配のトレンデレンブルグ体位下において増幅される。

二酸化炭素による気腹は、腹腔内からのガスの吸収を介して、二酸化炭素分圧(PaCO2: partial pressure of carbon dioxide)および呼気終末二酸化炭素の測定値(EtCO2: end-tidal carbon dioxide)を著しく増加させる可能性がある。分時換気量を増やし腹腔内CO2圧を下げると、高二酸化炭素血症やアシドーシスは軽減されるが、換気/血流(V / Q)ミスマッチおよび根底にある肺病理(すなわち、肥満と慢性閉塞性肺疾患)がPaCO2またはEtCO2の正常化を妨げる可能性がある。高二酸化炭素血症は、正常化が達成できない場合でも、一般的に十分許容できる。5急勾配のトレンデレンブルグ体位は、特に肥満患者のピーク気道内圧とプラトー気道内圧の上昇をもたらす(図1)。しかし、同じ気道内圧で、麻酔下の病的肥満患者の肺胞圧と胸腔内圧の差である経肺圧は、胸壁コンプライアンスの低下と腹腔内圧の上昇のために低いであろう。8 経肺圧は肺胞を拡張するのに必要な圧と直接関係している。したがって、肥満患者では、ある特定の気道内圧での圧損傷の可能性が正常体重の患者よりも低い。さらに、腹腔内臓器からの横隔膜への圧迫の増加のために、経肺圧は仰臥位よりも急勾配のトレンデレンブルグ体位の方が低い。8 肥満と急勾配のトレンデレンブルグ体位は気道内圧の上昇に対して保護効果を有すると思われる。事実、多くの専門家が、肥満患者では肺胞虚脱や無気肺損傷を予防するために高めの気道内圧で管理することを提唱している。8,9

この図は、ロボット手術のために急勾配のトレンデレンブルグ体位となっている肥満患者を示している。

図1:この図は、ロボット手術のために急勾配のトレンデレンブルグ体位となっている肥満患者を示している。

ロボット手術を受ける肥満患者にとって理想的な換気戦略はない。一回換気量を理想体重の6~8mL/kgに制限することに関するエビデンスが蓄積されてきており、一回換気量が400mL未満になる患者も出てくる。10 肥満患者において少ない一回換気量で十分な酸素化を維持するためには、高い吸気酸素濃度(FiO2)が必要になることがある。10 この戦略は著しい無気肺と関連しており、結果として低酸素と高二酸化炭素血症になる。急勾配のトレンデレンブルグ体位の肥満患者の換気を最適化し、高二酸化炭素血症を最小限に抑えるために、圧制御換気モードを考慮してもよい。圧制御モード(PCV: pressure control ventilation)では、酸素化と二酸化炭素排泄の改善のエビデンスがあり、より良い肺胞リクルートメントを維持し、ピーク気道内圧を低下させる。7 PCVで使用されるより高い吸気流量が肺胞リクルートメントを増加させ、換気/血流比を改善することがある。PCVは血行動態を改善し、圧外傷の可能性を減少させるが、低換気および高二酸化炭素血症と関連する可能性があり、これは肥満患者にとって特に有害でありうる。7呼気終末陽圧(PEEP: positive end expiratory pressure)を追加すると、酸素化を改善し、肺胞虚脱と無気肺損傷を防ぐことができる。8

肥満患者は、困難な術中管理の可能性に加えて、ロボット手術後の再挿管のリスクがある。11 多くの肥満患者は肥満低換気症候群または閉塞性睡眠時無呼吸(OSA:obstractive sleep apnea)を患っており、術後の低換気のリスクが高まる。特に鎮静やオピオイド薬の使用と合わさると、患者は呼吸抑制や呼吸不全の危険にさらされる。術中、急勾配のトレンデレンブルグ体位での気腹と輸液投与は、皮下気腫と気道浮腫の発生にそれぞれ関連する。5 顔面浮腫の程度と咽頭または喉頭浮腫の存在または重症度との直接的な相関はないので、抜管前にカフリークテストを行うことを考慮してもよい。5 カフを抜いた気管内チューブの周りでリークがない患者では、麻酔科医は一時的な術後挿管と人工呼吸を考慮する必要があるかもしれない。5

肥満は、正常体重の患者と比較してOSAの発生率が有意に高いことと関連している。OSAを抱える肥満患者のほぼ半数で、術後の低酸素症のモニタリングと治療が不可欠である。12 OSA患者は、術後の残存麻酔薬と鎮静薬による気道閉塞の増加および比較的少量のオピオイド薬と関連した罹病と死亡のリスクが増加している。12 Ahmadらは、睡眠ポリグラフ検査でOSAが陰性である肥満患者でも、酸素補充療法にもかかわらず重大な術後酸素飽和度低下が起こりうることを示した。12急勾配のトレンデレンブルグ体位でロボット手術を受けた肥満患者のOSAについては、術後の連続的パルスオキシメーターモニターを考慮した方がよい。13 呼吸刺激を抑える薬は注意深く投与量を調整するべきである。低酸素症を予防または重症度を緩和するために、酸素補充と適した患者ではCPAPを推奨する。12,13 ルーチンでのICU入室は適応とはならない。12

中枢神経系

正常な生理学的条件下で脳血流(CBF: cerebral blood flow)は自動調節される。急勾配のトレンデレンブルグ体位の開始当初は脳血流が増加するが、脳灌流圧(CPP: cerebral perfusion pressure)は、特にCVPが頭低位で上昇するために、低下する可能性がある。14 MAPが維持される限り、CPPは脳の活動をサポートするのに十分であると考えられる。気腹、体位、および肥満による腹腔内圧の上昇により脳内圧(ICP: intracerebral pressure)が上昇する。高二酸化炭素血症は脳血管拡張を引き起こし、腹腔内圧と胸腔内圧を上昇させる。これは脳脊髄液(CSF: cerebrospinal fluid)排出を減少させ、ICPの上昇をもたらす。14 急勾配のトレンデレンブルグ体位によるICPの増加や顔面喉頭浮腫のエビデンスにもかかわらず、脳浮腫がいつも起きていることを裏付けるエビデンスはない。5 脳の自己調節異常または血液脳関門の変化が存在する、または疑われる患者(すなわち、占拠性脳病変)については、脳神経外科医へのコンサルトを考慮する。

急勾配のトレンデレンブルグ体位での術後の虚血性視神経障害が報告されている。急勾配のトレンデレンブルグ体位は、眼内圧(IOP: intraocular pressure)の著しい上昇と関連している。15 CVPとEtCO2の上昇、および手術時間の増加がIOPの上昇と関連しており、これらの因子すべてが肥満により悪化しうる。15 急勾配のトレンデレンブルグ体位では、脳および眼の灌流圧の維持にもかかわらず、IOPが増加し目の灌流圧(OPP: ocular perfusion pressure)が低下する可能性がある。16

体位

急勾配の頭低位のために、患者は手術台上で頭側に滑る危険にさらされている。17 滑ると、皮膚、神経、ロボットトロッカー部位に関連した傷害が発生する可能性がある。機械的滑落は、滑り止め寝具、膝屈曲または砕石位、肩止め、ビーンバッグ架台、およびパッド付き体幹クロスストラップの使用によって防止することができる。18 しかし、特に、肩止めおよびビーンバッグポジショナーは、腕神経叢傷害の危険性の増加と関連がある。19,20 Nakayamaらは、異なる体重のマネキンを使用したシミュレーション研究で、体重の増加と急勾配のトレンデレンブルグ体位での頭側への滑りの増加との間に関連があることを見出した。砕石位は頭側へのずれのリスクを軽減させた。21 急勾配のトレンデレンブルグ体位の重量制限はどこにも書かれていないが、傷害防止のための適切な体位を継続的に確保しなければならない。Ghomiらは、急勾配のトレンデレンブルグ体位に伴うリスクを軽減する努力の中で、平均16度の角度のトレンデレンブルグ体位でロボット補助下良性婦人科手術を安全に行うことができることを示唆している。22 しかし、この研究に含まれる患者の平均BMIは28であった。肥満患者に使用するための適切で安全な角度を決定するためには、さらなる研究を行わなければならない。

急勾配のトレンデレンブルグ体位は、神経損傷のリスクと関連している。体位固定器具は、特に腕神経叢傷害を引き起こす可能性がある。頭部に過剰な圧がかかる装置は、頸椎損傷を引き起こす可能性がある。急勾配のトレンデレンブルグ体位での肩の圧迫は、腕神経叢の伸展損傷を引き起こす可能性がある。5 長時間の砕石位は、総腓骨神経傷害、コンパートメント症候群、および横紋筋融解のリスクを増加させる。5,23

肥満患者における急勾配のトレンデレンブルグ体位に関する体重または時間のガイドラインに関するデータはほとんど存在しない。Kalmarらは、正常体重の患者では、急勾配のトレンデレンブルグ体位を長期間(> 6時間)でも安全に耐えることができることを指摘している。5 急勾配のトレンデレンブルグ体位で罹病と死亡を招く時間についてのエビデンスがないため、著者によっては急勾配のトレンデレンブルグ体位の時間を5時間未満に制限すると提唱している。18 肥満患者での特定のデータがないため、急勾配のトレンデレンブルグ体位の時間と罹病および/または死亡との間に関連があるかどうかを判断するためには、追加の研究を行わなければならない。

結語

肥満患者でもロボット骨盤内手術を安全に行うことができる。麻酔科医は、肥満患者のロボット手術では様々な血行動態の変化が起こりやすく、呼吸生理が変化し、中枢および末梢神経系損傷のリスクが高まることを考慮しなければならない。MAP、CVP、SVRは、体位と気腹の結果として上昇する。二酸化炭素による気腹は二酸化炭素の上昇を招き、急勾配のトレンデレンブルグ体位の肥満患者では肺と胸壁のコンプライアンスの低下および気道内圧の上昇により二酸化炭素排泄が困難な場合がある。術後、肥満は呼吸抑制と気道合併症のリスクを増加させる傾向がある。このハイリスク患者群の罹病と死亡を避けるため、周術期を通じて注意深い観察を維持する必要がある。

 

Dr. Daltonは、シカゴ大学の麻酔・集中治療の助教授(日本の講師・助教に相当)である。


この著者は、この記事に関し利益相反はない。


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